【短編】絡まる糸
「まだ先だと思っていたけど、とうとうそんな日が来たのねぇ」


お母さんは感慨深げにつぶやきながら、キッチンに戻った。




「ふふっ」


そう微笑むお姉ちゃんは、やっぱりきれいになったと思う。



「あたしにもとうとう“お兄さん”ができるんだ。……なーんかヘンな感じ」


カップに口をつけたまま、まだ見ぬ”未来の兄”を想像してみた。




「で? そっちはどうなの?」

「え?」


”未来の兄”はおぼろげにしか見えなかった。


「彼氏よ、彼氏」
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