【短編】絡まる糸
「あー……」


霧のむこうの”未来の兄”は、お姉ちゃんの言葉で、さっきまで一緒にいた人に変わった──。




「なに? やっぱりいるんだ、そういう人?」

「んー……」



あたしは好きだって自覚したけど、リョウのホントの気持ちはわからない。


だからつい、あいまいな返事になってしまった。



「なに? 片思いとか?」


「……まぁ、そんなところかな」
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