【短編】絡まる糸
「そういえば見たよ」

「え?」


「いつだったかな? 駅前でスーツの男と腕くんで歩いてたろ?」

「あー……」



見られてたのか。


一番最近だったとしても、一カ月前か。




「まだ連絡ねぇの?」

「ん」


「……久々に、つき合うか?」

「んー……」


「んだよ、ハッキリしねぇなぁ! とりあえず飲み行こうぜ!」

「痛いってば……」




あたしは顔をゆがめて、叩かれた背中をさすった。

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