【短編】絡まる糸


「おまえはさ、本気な男には臆病なんだよ。裏を返せば自分から行動できないってことは本気ってことなんだよ。そこんとこ、わかってんのか?」



「…………」



オトナが飲みにくるにはまだ早い時間。


あまりにも的を得た指摘に、あたしは視線をそらしてビールを流し込んだ。



わかってるよ。

わかっちゃったってば。



ヤスとはお互いにつき合ってる相手がいれば、恋愛相談なんかもしてきた。


だから、あたし以上にあたしのことをわかってる、って言ってもいいかもしれない。
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