【短編】絡まる糸
後ろからかけられた声に振り返ると。



「カサ、ないの?」


スーツ姿の男性が立っていた。



「……はい」


少し長めの髪は後ろに流してセットされ。


細いフレームのメガネが知的な雰囲気を漂わせていて。





「雨宿りに、食事でもどう?」



誘い方も手慣れていた。
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