オトナのキュンラブ†堕落~人でなしの恋†『色悪』シリーズ
ああ…
もうダメだ。
何と引き替えることになっても凌が欲しい---
この半年の間、凌を忘れようとした。
凌の代わりに、同僚の彼を愛そうとした。
彼となら平凡だけど穏やかに生きていけるとわかっているのに……
凌の薄くて形のよい唇の隙間から、紅い舌先が見える。
一瞬だけよぎった、プロポーズしてくれた優しい彼の微笑みや、私たちの婚約を喜ぶ両親の顔を頭の中から消去する。
平凡な愛は、一生私の手に入らない。
凌と出会ってしまったから------