恋とくまとばんそうこう
なんだか、なんだかなぁ…。
伸びた髪をサラサラいわせながら俊はぐらぐら椅子を鳴らす。
いきなり、
高校生活の目標を失ってしまった。
◆
がっくりうなだれたまま散りかけの桜並木を歩く。
何の為に、
何の為に自分はこの高校に入学したのだろう。
せめて入部ぐらいさせてくれても…とぶつくさ思っていたが、そのメンツを見てそんな思いすら打ち砕かれた。
坊主の集団が自分の教室の前を通る。
何故か面識の無い女子に囲まれながら、俊はその集団の流れを驚愕の瞳で見ていた。
「(○○学園の麻生に、○○中学の橋田!?○○中学の山下までいる!)」