Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「何でテメェはいつもいつも、そう楽観的なんだよ。もしも、ってことがあるだろうが」

「そうじゃねェ。俺はあの二人を信頼してんだよ」


 レンの言葉に、エイジはうっ、と言葉を詰まらせた。


「…その言葉、あいつに言ってやれよ」

「なんか言ったか?」

「――…いや、別に」


 ポケットに両手を突っ込んで、エイジは歩き出す。

 レンはまだ完全に麻酔が覚めてない状態で、それでも何とかエイジの後についていった。


「だから、手ェ貸そうかっつってんだろ」

「やなこった」

「素直に頭のひとつも下げてみろ」

「やかましい、女ったらし」

「エセサムライ」


 並んで歩く二人の言い合いは、ユイの別荘に到着するまで続くことになる――。
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