Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
第4章
【1】
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海岸のユイの別荘は、一年前のように執事や使用人はいなかった。
今は空き家だったが、昔の使用人が今も掃除だけはしてくれているらしく、豪華な家具やテーブルは綺麗なままだ。
エイジとレンはまだここに着いていないようだった。
二人はとりあえず、傷の手当てをする。
「…これね」
左腕の入れ墨。
それを右手でさすりながら、ミサトは言った。
「これはね、何度も消そうと思った」
ユイは何も言わずに聞いている。
「だけど、出来なかった。こんなに嫌いなのに…笑っちゃうみたいだけど、あたし、親の顔も見ずにずっと組織の中で生きてきたでしょ。だから…これを消したら、今まで自分が生きてきた証拠がなくなるような気がしてさ」
ミサトは無意識のうちに、左腕を撫で続ける。
それは、話しているうちにだんだんと力が入って。
海岸のユイの別荘は、一年前のように執事や使用人はいなかった。
今は空き家だったが、昔の使用人が今も掃除だけはしてくれているらしく、豪華な家具やテーブルは綺麗なままだ。
エイジとレンはまだここに着いていないようだった。
二人はとりあえず、傷の手当てをする。
「…これね」
左腕の入れ墨。
それを右手でさすりながら、ミサトは言った。
「これはね、何度も消そうと思った」
ユイは何も言わずに聞いている。
「だけど、出来なかった。こんなに嫌いなのに…笑っちゃうみたいだけど、あたし、親の顔も見ずにずっと組織の中で生きてきたでしょ。だから…これを消したら、今まで自分が生きてきた証拠がなくなるような気がしてさ」
ミサトは無意識のうちに、左腕を撫で続ける。
それは、話しているうちにだんだんと力が入って。