Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「どうしたんだよ、その傷?」


 二人の姿を見るなり、レンは眉をひそめた。

 ユイは『ホン・チャンヤー』の反乱のことを報告する。


「いい機会じゃねェか。あんな組織、誰にでもくれてやれよ」


 ユイの話を聞いて、レンは言った。


「私はそうしたいけれど。組織の中で私は、私ではいられないから…」


 ユイのその言葉に、ミサトは、はっと顔を上げた。

 ユイも同じ。

 本当は、こんなことはしたくないのだ。

 だけど、抜け出すことは出来なくて。

 だから“終わらせる”とユイは 言った。

 ――何もかもを。


「そっちのほうはどうだったの?」


 ユイの質問に、エイジとレンは少しだけ、視線を合わせた。

 そして、エイジはミサトの左腕の入れ墨に、視線を落とす。

「俺達の烙印は、消されたよ」

「え?」

「俺のは、インホアさんに拉致されてる時。こいつは今さっき」

「母さんの…ロンの狙いは、あなた達に刻まれた入れ墨を消すこと…?」


 ユイが言う。
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