Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「その目的はわからねェけどな。だが次に狙われるのは、確実にミサト、お前だ」


 レンは、そう言ってミサトを見た。


「…残ってるのは、あたしの入れ墨だけってことね」


 今しがた傷つけたばかりの左腕。

 まだ血が止まってい ないその痛々しい腕を、エイジは複雑な面持ちで見つめた。


「何にしろ、あっちにはロンが絡んでいるのは間違いない。不可解な行動をとったとしても、それには何らかの意味があるはずなのよ。向こうに利益になるような何かが…」


 ユイはそう言って少し考え込む。

 3人を生かした理由。

 エイジとレンが奪われたのは“死の烙印”。

 抜け出すことの出来ない組織の螺旋の渦。

 烙印に共通するもの。

 それは。


「コードナンバー…」


 ミサトはぽつりと呟いた。

 組織の中で、個々の認識は全てコードナンバーによる。

 名前は便宜上つけられただけのものだ。


「…ね、レン、エイジ。あんた達、自分のコードナンバーって覚えてる?」


 ミサトは聞いた。


「忘れろっていうほうが無理だぜ」


 レンは吐き捨てるように言った。

 だな、と、エイジも頷いている。
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