Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「ねェ…やっぱり、二人のうちのどっちかがユイにつ いてた方がいいんじゃないかな?」

「…いや。今回は、ユイの言う通りにしよう」


 ずっと腕組みをしていたレンは、静かにこう言った。


「どうしてよ?」

「あいつは今、ホン・チャンヤーの再建のことで頭が一杯なんだ。そんな時に、ただでさえゴタゴタが絶えない俺たちが一緒にいると、思うように動けないだろ?」

「あァ、ホン・チャンヤーの件と、ウー・イー・シーの件は別物だ。だから、俺もこいつの意見と同じだな」


 レンの意見に、エイジも賛成する。

 適切な状況判断。

 今、どうすれば一番いいのか。

 二人が言った事は、間違ってはいない。

 きっと、ユイも同じ考えでそう言ったのだろう。

 だけど、そんなものはただの客観的な見方でしかない。


「…もしかしたらユイ、殺されるかも知れないんだよ? なのに」


 両手の拳を握り締めて。

 ミサトは、絞り出すように言った。
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