Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
☆  ☆  ☆





「それからしばらくたって、そこに立っている男が瀕死のミサトを抱えて連れてきた。はっきり言って俺はその時、運命を感じずにはいられなかったよ…」


 店主は、微かに笑う。


「あの爺さんが託した“夢”…もしかしたら、叶うのかも知れないってな」

「オヤジ…それって…」

「…あァ、間違いなくハク老師は、おまえ達をわざと生かしていた。組織の掟を破ってでも、な」


 ――心臓が、どきんと脈打つ。

 壁にもたれ掛かって話を聞いていたエイジとレンの二人も、少なからず驚いていた。

 ハクは【ホン・チャンヤー】の前ボスであったはず。

 だが、今の店主の話によると、ハク老師は。


「今考えてる通りだよ、ミサト。ハク老人は、あんたらが前に所属していた組織【ウー・イー・シー】のボスだ」


 しばらくは、誰も口を開くことが出来なかった。
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