Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「だが、わかってやってくれ。爺さんにとって唯一の希望は、おまえ達3人だったんだ」


 重々しく言葉を紡ぐ店主の表情は、苦渋に満ちていた。

 エイジは煙を一息、天井に向かって吐き出す。


「…ま、その張本人がもういねェんだ、今更何を言っても後の祭りだな。それよりも、あの爺さんが俺たちにそんなに託したかった“夢”ってのは一体、何だったんだ?」


 エイジの問いに、店主は神妙な面持ちで答える。


「あいつは…全ての終焉を、願っていた」

「全ての終焉?」

「大きくなりすぎた組織【ホン・チャンヤー】の壊滅」

「…何だって?」


 まさかと思った。

 自らが築き上げた組織を、自ら壊滅させようと言うのか。
< 134 / 207 >

この作品をシェア

pagetop