Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「…本当なの?」

「少なくとも、あの爺さんは本気だったよ」


 ヤキトリ屋の店主の言葉は、次第に自分達が置かれている闇の中を照らしていく。


『おじいさまはいつも、大きすぎる組織はいらないって言ってたわ』


 ユイの言葉が頭の中をよぎる。


「それは…どうやって?」


 それを聞くことは、とても胸が痛かった。

 苦しくて、息も出来ない程だった。


「おまえ達に刻まれてるコードナンバー…あれが、ホン・チャンヤーの本部を爆破するスイッチの暗証番号になっている」


 エイジとレンは、お互いに顔を見合わせた。

 もしそれが本当なら、そのコードナンバーは。


「俺達のナンバーは、消されたよ。短時間で、きれいさっぱり、な」


 レンの言葉に店主は少しだけ眉をひそめ、ミサトの方に向き直る。


「ミサト、お前のは?」


 ミサトは上着を脱ぎ、左腕を見せた。

 それを見て、店主は納得したように頷く。
< 135 / 207 >

この作品をシェア

pagetop