Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
 だが店主は、それを否定しない。

 エイジの推理は、 的を外れてはいなかった。


「エイジ…どうして」

「二つの組織のボスをつとめたあのハク老師を“あいつ”呼ばわりする。俺たちの“烙印”の事情も、その目的も知っている。そして今、俺たちと敵対しているのがロンだと言い切った。これだけじゃ足りねェのか?」

「俺がウー・イー・シーの幹部だったって事実は、そんなにショックか、ミサト?」


 店主はミサトに聞いた。

 ミサトは、やっとのことで、声を絞り出す。

「……い…いいえ」

「もう、いいだろ」


 レンがミサトの手を引っ張って立ち上がらせた。


「…レン?」

「来た甲斐があったな。貴重な情報がいくつも聞けた」


 そのまま、レンはミサトを引っ張って部屋を出て行った。
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