Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「何熱くなってんだ、あのバカは」

 エイジはため息をつく。


「悪ィな、オヤジ。あいつは元々ああいうヤツなんだよ」

「…いや。どうせ、俺が言えるのはこのくらいだったしな。ここからは、俺の好意だ」


 そう言って、店主は一枚のミニディスクをエイジに放ってよこした。


「これは?」

「ホン・チャンヤーの本部ビルの設計図だ。ここに全てが印してある」

「…仕掛けられた爆弾も、か?」

「あァ、そうだ」


 エイジは、ディスクを上着のポケットにしまう。


「好意ついでに教えてくれ。あの入れ墨、どうやって消したんだ?」

「お前達のは、入れ墨ではないよ。特殊な印刷技術を使ったマーキングなんだ。同じように特殊な用紙をぴったりと押し付けると、それがそのまま、紙に写り込む。まぁ、大事な情報を、証拠を残さないで運ぶことができるって言う、裏の技術だがね」


 それをもっと早く知っていれば、情報屋としてはいくらでも使い道があっただろうに…と、エイジは思う。
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