Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】

【4】

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「…失礼します」


 軽いノックのあと、秘書が部屋に入ってくる。

 表向きはただの秘書だったが、この女性は、組織の中でも腕利きで評判だった。


「どうしたの?」


 書類から目を上げて、ユイは言った。


「…やっと、彼らが見つかりました」

「そう…」


 口元に手を当てる。

 一週間か…まぁ、あいつらを見つけるにしては早かったほうなのかもしれないが。

 ここは素直に、喜んだほうがいい。

 ことはすでに、動いてしまっている。

 ロンが、1年ぶりに動き始めたのだ。

 だが自分は組織にがんじがらめにされていて、ここからは動けない。

 できるだけ、手は打ってあるが。
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