Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「何言ってんだよ、ミサト?」

「ハク老師は色んな顔を持っていた。だけどあたしは、あたしの知っているジジイの顔を最後まで信じていたいの」

「…最後まで?」

「全部、終わりにするまで…!」


 そう言ったミサトの顔には、さっきまで流していた涙は微塵も感じられなかった。

 代わりに溢れてるのは“意志”と“決意”。


「あのジジイが本当にやりたかったこと…あたしが、代わりにやってやる」

「本当にやりたかったこと…?」

「そうよ」


 ミサトは頷く。

 分かった、と、エイジはぽんぽん、とミサトの頭を撫でて。


「ある程度話が見えてきた以上、こんな狭い国にいつまでも留まる理由はねェ。ユイのことも気になるしな… 明日の朝一番の飛行機で帰ろう」


 その直後、3人は顔をドアのほうに向けた。

 いくつかの足音が、廊下を通り過ぎる。
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