Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「ミサト、これ着ろ」


 レンがバスローブのままのミサトに服を渡す。

 サイズが大きかったが、腰をバスローブのベルトで締めと、何とか動きが取れそうだった。


「明日の朝、なんて悠長なこと言ってられねェみてェだな」


 刀を取り出し、レンは言った。

 エイジは一応の為に持ってきた自分の銃を、ミサトに投げた。


「俺が持っているよりも、役に立つだろ」

「あたしの荷物…」

「諦めろ」


 レンが、ドアの外の気配をうかがう。

 くいっ、と顎で合図をし、ミサトとエイジは廊下に出た。

 突き当たりまで進むと、非常階段に出る。

 微かに、サイレンサー付きの銃声が聞こえる。

 ホテルを出て3人は、暗闇に姿を消した。

 そのホテルの、ミサトが使っていた部屋から火災が起きたというニュースを知ったのは、翌朝のことだった。
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