Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】

【2】

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 人込みに紛れて、エイジとレンはとあるデパートの洋服売場の外で立っていた。


「この非常事態に着替えなんてよ」


 明らかに不機嫌な顔で、レンは呟く。


「いいじゃねェか、テメェの汚ェ服にゃ耐えられねェって気持ち、俺にはよくわかるぜ」

「やかましい。本当は、一分でも早く飛行機に乗りてェ癖によ」


 つい、軽く口を突いて出た言葉に、レンは何となく気まずい顔で、行き交う人達に視線を向ける。

 エイジはレンの言葉に反論するでもなく、ポケットに手を突っ込んで上の方を仰ぎ見たまま、何も言わない。


「お待たせ! はいレン、服ありがと…って…どしたの、二人とも?」


 何処か気まずい雰囲気に気付き、ミサトは二人に聞いた。


「…いや、何もねェ。行くぞ」


 先に歩き出すエイジの背中を、ミサトは首を傾げて見つめた。

 そしてレンに向かって。


「何、ケンカ?」

「そんなんじゃねェ」


 レンはそう言うと、ミサトを促した。
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