Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
 だがその時、前方のエイジとミサトが動いた。

 レンは慌ててその後を追う。

 気配は感じていた。

 何人かの男たちが、自分達の後をつけてくる。

 人混みの中では、派手に撃ち合いになる可能性は少ないが…この男たちが昨日と同じ連中なら、間違いなく銃を持っているはず。

 一番に狙われているのは、ミサトだ。

 エイジとレンは、ミサトの両脇を守るように並んで歩く。


「昨日の連中よね、あいつら」


 ミサトが静かに言った。


「…だな。どうする、撒くか?」


 レンの言葉に、ミサトは首を横に振る。


「ヤツらどうせ空港も固めてるはずだよ。今ここで撒いても、そっちで待ち伏せされるはず」

「だったら?」

「決まってるっしょ。片っ端から片付ける」

「マジかよ」

「大マジよ。今のところ、相手は五人。とりあえず広い場所まで移動よ。こんな場所じゃ、思い切り戦えないから」


 ミサトは颯爽と歩き出す。


「なァ、もしかしてあいつ、キレてんのか?」


 そんなミサトの後ろ姿を見て、不安そうにエイジが呟いた。


「…ま、やりたいようにやらせた方がいいんじゃねェのか? 言いだしたら聞かねェだろ」


 諦めの口調で、レンは答えた。
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