Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「だが分からねェのは、ロンは何故そうまでして俺たちを狙うんだ? たった9桁のコードナンバーのうち6桁もわかってんなら、ある程度はその数字を絞り込めるはずだろ。そしたら、本部ビルの爆破はヤツにも止められるはずだ」

「違うよ、エイジ。ロンが欲しがっているのは、爆破システムそのものなんだよ」


 あぁ、そこか、とエイジは納得する。


「だから、あいつらはこのマークを欲しがったの」


 ミサトは、左腕を見せた。

 巧妙な数字のマーク。

 ただの模様にしか見えないが、それは。


「これはね、システムのプログラム。あたしとレンと、エイジのものを組み合わせると出来るもの。ウー・イー・シーに入ったのはあたしが一番最後だから、これが最後のプログラムって訳」

「ったく…あのジジイも大層な役割をくれたモンだよなァ。何をそんなに、俺達に期待してんだか」


 レンはそう言って、今まで見ていた紙をエイジに放り 投げた。

 エイジはそれに、ライターで火を点ける。

 夕暮れ時、薄暗くなった店内で火は一瞬だけ辺りを明るく照らした。
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