Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「でもね、ここにいるツァンダオがあなたを殺したがっているみたいなの」


 ミサトは黙っている。


「一年前、あなた、ツァンダオの仲間を殺したんですってね?」


 その復讐という訳か。

 ご大層な主義だ、とミサトは軽くため息を吐く。


「それに、私もこの店を破壊されるのは困るのよ。ここは、ホン・チャンヤーにとってまだ利用価値があるから…」


 インホアは目を見張る。

 いつの間にか、ミサトは物陰から姿を現していた。

 ツァンダオも攻撃してこないのは、ミサトにまるで隙がないからだ。


「やっぱり…あんたも知ってたんだね。この店に、あの爆破プログラムを搭載したコンピュータがあることを」

「………」


 今度はインホアが黙り込む。

 だがかまわずに、ミサトは続ける。
< 171 / 207 >

この作品をシェア

pagetop