Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「ユイは、ハク老師のことが大好きだった。だからホン・チャンヤーを必死で守ろうとしてた。あのジジイが守ろうとしていた物を同じように慈しんでた」

「………」

「ユイは、組織を背負う重荷から、逃げたいなんて一言も言ってない。そんなこと、あんたが勝手に思ってるだけでしょ!!」


 少々感情的になりすぎた。

 ミサトに出来た一瞬の隙を狙って、ツァンダオはナイフをこっちに向かって投げ付ける。

 反応が遅れ、鋭い切っ先はミサトの脇腹に突き刺さる。

 ミサトは持っていた銃を連射した。

 素早い身のこなしで、ツァンダオはそれを避ける。


「ミサトさん…!」

「インホアさん」


 腹からナイフを抜き、顔をしかめつつミサトはインホアの方を見た。

 それでも不敵な笑顔を作ることができたのは、絶対的な自信から。
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