Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「ちゃんとこのビルの構造、把握したでしょ!」

「しょうがねェだろ、平面と立体じゃ違うんだからよ」

「たく…意味わかんない」


 弾を使いきり、ミサトはポケットから新しい弾倉を取り出し、それをセットしながら、見せてもらったこのビルの構造を思い出す。


「こっち」


 レンを促して、ミサトはエレベーターに乗る。


「怪我…どんなだ?」

「うん、大丈夫」


 だが、そう言うミサトの表情には、あまり余裕がないように感じた。


「あの店は、木っ端微塵に破壊してきたよ。邪魔なヤツがいて、ちょっと手間取ったけどね」

「邪魔なヤツ?」

「ツァンダオ」


 レンは眉をひそめた。


「無理すんな」


 ため息まじりに呟く。


「もうちょっと無理しなきゃね。これでも楽しんでんのよ」

「ったく」

「五階の広間。そこにユイはいる。多分、エイジも」


 真っすぐ前を見つめながら、ミサトは言った。
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