Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】

【4】

【4】






 いくら戦ったところで、他勢に無勢なのはわかりきっていた。

 ミサトのように銃の腕が一人前っていうワケでもないし、第一、足技ひとつでここまで来たのだ、銃は持っていなかった。


「大人しくしてもらおうか」


 威嚇で撃たれた銃弾は、エイジの右肩をかすめた。


「…っ」


 顔を歪め、エイジはそれでもロンを見据える。

 だがその視線のもっと奥に、一人の女の姿が見えた。


「ユイ!!」


 傷ついた身体をひきずるように、ユイは銃をロンに向ける。


「その人に手を出したら、私が許さない」

「この人数を相手に、何ができる?」


 大して驚く様子もなく、ロンは言った。

 そして、部下に二人を捉えるように命令する。
< 189 / 207 >

この作品をシェア

pagetop