Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「…さァて」
レンはツァンダオを睨み付ける。
「テメェらのボスは死んだ。部下なら部下らしく、後を追うか?」
もはやツァンダオに戦闘意欲はなかった。
ロンがいなくなった今、どこにともなく姿を消す。
「…母さん…!!」
ユイは倒れたままのインホアに駆け寄る。
「ユイ…」
「しっかりして…っ」
その身体を抱き起こし、ユイははっとした。
左胸のあたりから、おびただしい出血。
「ユイ…よかった…」
インホアは、ユイの腕の中で、微かに微笑んだ。
エイジとレン、それにミサトも、二人の傍らにたたずんでいる。
「私を…許してね…」
「もういい…もういいから、喋らないで」
ユイは必死に、インホアの胸の辺りを押さえている。
その指の間からも、どんどん血が流れる。
「…最後を見届けられて…本当によかった…ありがとう、あなた達…」
ミサト達の方へインホアは視線を送る。
「ごめんなさ…ユイ…」
インホアは、ゆっくりと目を閉じた。
その頬に、涙が伝う。
エイジは後ろを向くと、タバコに火を点けた。
レンはじっとその光景を見据え、ミサトは、へなへなとその場に座り込んだ――。
レンはツァンダオを睨み付ける。
「テメェらのボスは死んだ。部下なら部下らしく、後を追うか?」
もはやツァンダオに戦闘意欲はなかった。
ロンがいなくなった今、どこにともなく姿を消す。
「…母さん…!!」
ユイは倒れたままのインホアに駆け寄る。
「ユイ…」
「しっかりして…っ」
その身体を抱き起こし、ユイははっとした。
左胸のあたりから、おびただしい出血。
「ユイ…よかった…」
インホアは、ユイの腕の中で、微かに微笑んだ。
エイジとレン、それにミサトも、二人の傍らにたたずんでいる。
「私を…許してね…」
「もういい…もういいから、喋らないで」
ユイは必死に、インホアの胸の辺りを押さえている。
その指の間からも、どんどん血が流れる。
「…最後を見届けられて…本当によかった…ありがとう、あなた達…」
ミサト達の方へインホアは視線を送る。
「ごめんなさ…ユイ…」
インホアは、ゆっくりと目を閉じた。
その頬に、涙が伝う。
エイジは後ろを向くと、タバコに火を点けた。
レンはじっとその光景を見据え、ミサトは、へなへなとその場に座り込んだ――。