Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「…そうだな…。本人はまるで気付いてないかも知れねェけどな」


 くすくす笑いながら、エイジサはタバコを床に落とし、 足で踏み付けた。


「最終目的は、俺達みんなの平和な日々…そんなところか」

「あァ、そんなところだ」


 お互いに、にやりと笑い合う。

 エイジはよっこらしょ、と椅子から立ち上がり、ポケットに手を突っ込むとドアに向かう。


「…任せたぜ」


 振り向きもせずに、レンはそう声をかけた。


「あァ。ユイには俺だけで会いに行く。テメェはここで留守番してろ」


 事態は動き始めているとして。

 ミサトは、遅からずこの店に現れる。

 その時に誰も出迎えてやらなければ、淋しがるだろう。

 店を出る間際、エイジは振り返る。


「テメェにしちゃ、上出来だな。レディの扱いが分かっ てきたんじゃねェのか?」

「…いいから早く行け。ユイも待ってるぜ」


 エイジは軽く手を上げると、店を出ていった。
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