Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
 写真に写っている5才くらいの女の子と似ていなくもないが。

 だが、女の子の隣に写っているのは。


「なぁ、これ…」


 エイジは、キッチンの方へ声をかける。


「その写真? 私の父と娘よ」

「娘…?」


 大きな木の前で中年の男に抱かれる女の子。

 エイジ は、この男を知っている。

 直接会って話をしたことはないが、裏の世界の人間なら誰でもその顔と名前くらいは知っている。


「この男は…“ホン・チャンヤー”の前のボス、ハクじゃねェのか? それに、ここに写ってんのがアンタの娘ってのは…」


 お茶を乗せたトレーをリビングに運びながら、女はにっこりと笑う。


「…ユイよ。あなたもご存じのはずだけど?」


 エイジは一瞬、黙りこむ。
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