Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「てことは…もしかしてあんた…ユイのお母さま!?」

「えぇ。インホアと申します」


 洒落たカップに入った紅茶をエイジの前に置きながら、インホアと名乗った女は軽く頭を下げる。


「でも、確か…ユイの両親はもう…」

「死んだ、ってことになってるわね、表向きは。でも、あなたに言われることはないと思うけど?」

「あ、あァ…」


 どう答えていいか分からずに、エイジは言葉を濁した。

 でも、とインホアは続ける。


「ユイの話だと、ここに来るのは二人…もしくは三人、って聞いてたけど?」


 インホアは目の前のソファに座り、お茶を飲みながらエイジを見た。
< 27 / 207 >

この作品をシェア

pagetop