Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「私もね、今はここで平和な暮らしをしているけど、もとは裏の世界の人間だから…」


 だから、あなた達のことが気になって、とインホアは続けた。

 エイジはタバコを吸っていいか、と仕草でインホアに聞いた。

 立ち上がり、灰皿の代わりになりそうな皿を差し出すインホア。


「…というと?」

「ユイが…あの子が珍しく、誰かと関わる気になっていたから…」

「………」


 エイジは黙って、お茶をすする。


「母親っていうのはね、いくつになっても子供が心配で仕方ないのよ。どんなお友達と付き合ってるのか、とかね」


 お茶のおかわりを入れながら、インホアは言った。
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