Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「後をつけられたりしてねェだろうな?」

「当たり前でしょ。もしそんなヤツがいたら、ここに来る前に始末してるよ」

「相変わらずで」

「…おかげさまで、ね」


 懐かしいの一言もなく、二人はこんな会話を紡ぎだす。


「…レン…さっきの…」

「あァ、あれか? 昔むかしの教典、ってヤツだ」


 心なしか、ミサトの身体が震えている。


「そんなに驚くことはねェだろ。俺たちは、薄々気づいてたからな」


 心当たりがないといえば嘘になる。

 エイジと初めて会ったとき、ミサトが所属していた組織の名を言われた。

 だが、まさか。
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