Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「ホントに後つけられてなかったのかよ?」


 カウンター内側の床下。

 酒を収納するスペースに隠れて、レンは言った。


「なぁによ、その疑いの目付きは。あたしはプロなのよ、そんなヘマする訳ないじゃない」


 狭いんだからもうちょっとあっち行ってよと文句を言いながら、ミサトはそう言い返す。


「誰なんだ、あいつら?」

「知らないわ。でも、ガスを使って侵入してくるってことは、生け捕りにしたかったのかな?」

「俺たちをか?」

「じゃなけりゃ、初めてここで会った時みたいに、銃弾の雨が降ってたはずでしょ」

「…ま、確かに」

「なんだかあたし達、この店の疫病神って感じね」

「俺まで一緒にすんな」

「何よ、自分だけいい人ぶらないでよね」


 店に、人の気配はない。

 もうしばらく待ってから、二 人は床下からはい上がっ。
< 38 / 207 >

この作品をシェア

pagetop