Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】

【4】

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 ダウンタウンを抜けるのは、容易なことではなかった。

 先ほどの連中は、街の中をうじゃうじゃと徘徊していて、見つからないように動くのはかなり神経を集中しなければならなかった。


「よっ。待たせたな」

「あんた…少しは緊張感ってのを持ってよね」


 車を調達してきたレンを、ミサトは呆れ顔で迎える。


「いいから乗れよ。王子さまが助けを待ってるぜ」

「あ~あ、あたしも白馬の王子さまに助けに来てほしい!」

「…アホか」


 車に乗り込もうとして、ミサトはふと立ち止まった。

 微動だにしないその視線の先には、女が一人、立ってい た。


「ユイ…?」


 ミサトは呟く。つられて、レンも振り向いた。


「久しぶりね。そうやってると何だか恋人同士みたいよ?」


 腕を組み、微笑みながら、ユイは言った。
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