Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「ったく、あの男は~…」


 デリカシーっていう言葉、一回辞書で調べたほうがいいよね、とミサトがぶつぶつ呟いて。

 くすくすと笑いながら、ユイはレンに小さな鍵のようなものを投げた。


「なんだよこれ?」

「宝の鍵。前のボスの遺品を整理してたら出てきたのよ。あいにく、宝のありかはわからないんだけれど」

「どうしろっつうんだよ」

「エイジのほうは、私が行く。あなた達はお宝を探してくれない?」


 本当は秘書に届けさせようと思ったのだが、何とか無事に取り戻せてよかった、とユイは笑う。

 レンはまだ何かを言おうとしたが、ミサトがそっとそれを制した。


「分かった。エイジをお願いね」


 行くわよ、とレンを促し、ミサトは車に乗り込む。
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