Treasure in Paradise【Brack☆Jack２】

「何だよこの連中は？」

「私の部下よ」


　ユイは、表情を変えない。


「身柄を拘束するのよ。彼女は…今回の件で、あまりにも深く知りすぎているから」

「身柄を拘束するって…お前、インホアさんは実の母親だろ？」

「…甘いのよ」


　ユイに促され、エイジは車に乗り込む。

　待機していた運転手は、二人が乗り込んだのを確認すると車を発進させた。


「どうしたっていうんだよ？」


　ずっと黙り込んでいるユイに、エイジは声をかけた。


「実の母親だろうが、組織の邪魔をする存在なら、多少強引な処置でも仕方ないでしょ。残念だけど、彼女は今、わたし達の敵側に味方してる」

「………」


　エイジは、助手席から後部座席のユイの様子を伺うように視線を送る。