Treasure in Paradise【Brack☆Jack２】

【３】

【３】





　もう営業していない酒場『ＡＧＯＲＡ』の周りには、何人もの人相の悪い男たちが辺りを気にするようにウロウロしていた。


「いやだねぇ…ああいう連中」


　気品のカケラもねェな、と、エイジが呟く。


「ガラが悪いのは、言えた義理じゃないけどね」


　ミサトが冗談混じりに言い、エイジは「どういう意味 だよ」と言い返す。

　すると、ユイがある事に気付いた。


「ねぇ…あれ」


　ユイが指差す方向には、いつか見た姿があった。


「ヤツは…」

「ツァンダオね。ナイフ使いのプロの殺し屋」


　そこでもう、確信が持てた。

　ツァンダオは、ロン直属の部下だ。

　間違いなくロンは、今回のこの件に関わりを持っている。