Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「一番信頼していた秘書でさえ味方ではなかった…それを考えれば、この鍵が今、私の手に入ったっていう情報がロンの耳に入っていてもおかしくはない」


 ため息まじりに、ユイは言った。


「…余程大事な鍵なんだな。ユイにとっても、ロンにとっても」


 エイジが呟く。

 その時、ユイがポケットからおもむろに携帯を取り出した。


「部下からだわ」


 少し離れた場所で、ユイは話をしている。

 それを横目に、レンがミサトに耳打ちをした。


「ここは俺達だけでいい」

「…え?」

「今、ユイの組織…ホン・チャンヤーは暴走しかけてる。だから今、あいつが組織を長時間留守にするのはマズい」

「ちょっと待って、ツァンダオもいるのよ。それなのに」

「だからこそ、今ここで俺達全員が出ていく必要はねェ。そうだろ?」


 ミサトの言葉を、エイジが遮った。

 その表情は、反論を許してはいない。

 レンも同じだった。
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