Treasure in Paradise【Brack☆Jack2】
「…なァ」


 エイジは珍しく思い詰めた顔で、レンを呼び止める。


「なんだよ?」

「…これ見ろよ」


 そう言って、エイジはズボンのベルトを外す。


「ばっ…バカかテメェ、こんな場所で…!!」

「俺だって好きでこんなことしてるんじゃねェ!! いいから黙って見ろ!!」


 訝しげに見つめるレンに、エイジはズボンを下ろすと左の太ももを見せた。


「おい…これって…」

「何かがおかしいと思ったんだよ。ユイの母親が、わざ わざ俺たちをおびき寄せたかった理由…」


 エイジの太ももは、微かに赤みを帯びていた。

 本来なら、そこには一生消えることのない“烙印”が押されているはずだった。

 それが、今はない。
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