キミのために。

「あの・・・
 そろそろ離してくれないかな??」

優しく問うてみた。
だが、返事はない。

「まだ他のおうちの子供にもプレゼントを渡さなきゃいけないんだ。離して・・・もらえるかな??」

そう言っても女の子は一向に力を緩めようとはしない。

そして俺はその今季根気強さに負けた・・・。

「わかった。お話してやる!してやるから、俺を話してくれ!!」

そう投げやりに答えると、女の子は腕の力を緩め、満面の笑みを俺に向けてきた。

(ありがとう)

彼女の口がそう言った様に見えた。

「・・・しゃべれないの??」

俺が彼女にそう聞くと、
コクン。
彼女が可愛らしく頷いた。

しゃべれないのに・・・

俺は一体、いつまで付き合わされることになるんだ!?

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