人魚姫
王子様
いつも固い固い壁の中。
周りはペコペコお辞儀するだけで。
何ひとつ自分で選べずに。
息苦しい毎日。
一日の楽しみは空の顔と波の顔。
いつかこの壁を越えて、
碧い世界に行ってみたかった。
退屈だった毎日。
自由も
喜びも
知らなかった…それが王子様。
だから
鳥のように碧い世界に出るコトも
子どものように笑うコトも
できなくて。
別に不満はなかったけど、
何故だか悲しかった。