オレンジジュース~俺と一人の生徒~
帰り道の足取りが重い。
車を降りて、家につくまでの間、俺はため息ばかりついていた。
いた。
里田ではない生徒が3人。
俺を見つけて、一人が声を出して、もう一人が「静かに!」とその子の背中を叩く。
全部、聞こえてるんですけど…
誰?
俺が教えたことのない生徒。
一年生?
どうして俺の家、知ってる?
どうして俺に興味がある?
俺のこと、何も知らないのに…
教師ってだけで憧れるのか?
大人だから?
俺が階段を上ると、その3人は、ベランダの方へ移動した。
はぁ・・・
俺は階段をゆっくりと下りた。
「お~い!もう遅いから早く家帰れ~!」
俺の声を聞いて、
キャーと叫びながら3人は走り去った。
おいおい。
俺って何?