オレンジジュース~俺と一人の生徒~
矢沢、俺を待っていてくれる?
もし、待っていてくれるなら、
俺は本音を隠して、お前に別れを告げよう。
里田のこともお前には話さない。
違う理由を考えて、俺はお前から離れる道を選ぶ。
・・・って言ってもなぁ
お前を泣かせたくはない。
泣かせずに別れる理由なんて、あるわけねぇのに。
俺は、電気もつけず、ベッドに寝転んでため息ばかりついた。
「なお・・・」
また声に出してしまった。
盗聴器が付いていたら、俺がバカだってバレバレだ。
ここにいないあいつを
直を・・・
呼んでしまう俺。