オレンジジュース~俺と一人の生徒~
車の中
どうしてこんなにも時間が経つのが早いんだぁ?
もっとゆっくり夜になってくれれば、と俺は思った。
こんなこと思ってる俺は教師失格?
車の中では俺の好きな洋楽がかかっていた。
当時好きだった女の子とデートする時によく聴いていた曲だった。
でも…
多分、いや…絶対………
これから先、この曲を聴くたびに
思い出すのは…お前だろう。
矢沢…
そんなに俺を見るなぁ!!
俺の運転してる姿をじっと見つめる矢沢。
「ん?」
目が合った。
矢沢は、嬉しそうに首を振る。
「ううん。何でもないよ!」