オレンジジュース~俺と一人の生徒~
「付き合ってちゃだめだ・・・俺、だめになる。」
「愛してるから・・・ このままじゃだめだ。別れよう・・・」
俺の「別れよう」という言葉はきっと直に届いてはいない。
俺の声は消えそうな程、小さく震えていた。
「卒業するまで待てる?それまで頑張れるか?」
言うつもりはなかったのに、
弱虫な俺は『約束』を欲しがった。
静かに涙を流す直は、頷くことも、首を横に振ることもなかった。
ただ悲しい表情で俺を見つめていた。
・・・先生が決めたことなら、私は我慢する。
そんな声が聞こえてきそうだった。