オレンジジュース~俺と一人の生徒~
でもこれだけは言わせてくれ。
「俺、お前のことは特別大事な生徒だと思ってる…」
矢沢は何も言わずに窓の外の景色を眺めていた。
そのおかげで、
また抱きしめたいと思ってしまう自分を止めることができた。
俺は夜景の綺麗な場所へ車を走らせた。
その間、切ない曲ばかりがFMから流れていた。
これ以上好きになっちゃいけない。
それなのに、
どんどん好きになってしまっていた。
「先生、学校でストレスたまってない?」
俺を気遣ってくれる矢沢。
生徒に心配される教師…
「おぉ、お前みたいな生徒がいるから俺は癒されてるよ」
やっべ…
また本心を言ってしまった俺。
くねくね道が続く。
「酔わねぇか?」
車酔いをすると言っていたことがあったので、俺はスピードを緩めた。
「大丈夫……でも、先生には酔ってるかなぁ。」
また…
俺を刺激すんなぁ!!