オレンジジュース~俺と一人の生徒~
直は、大きめのパジャマの袖で目をこすりながら、俺のことを見つめていた。
薄暗いせいかも知れないが、直の瞳がうるうるしていて、その瞳が輝いて見えた。
「ん?どした?」
俺は直に近付いて、顔を覗きこんだ。
眠れないのか?
悲しくて、目が覚めたのか?
そうだよな、大好きなおばあちゃんとの別れは
辛いよな。
「ちょっと怖い夢見ちゃって…」
えへへって笑った直を思わず抱きしめた。
強がって笑顔を見せた直をぎゅっと抱きしめた。
安心させたくて抱きしめたけど、直を抱きしめることで俺が安心した。
「先生、大好き。」
「わかってるよ。俺も大好き。」
静まり返った深夜のトイレの前で、
直にそっとキスをした。
「おやすみ」
「うん、おやすみ!」
俺と直は別々の部屋へ戻り、
きっとお互いのことを想いながら眠りにつく。