オレンジジュース~俺と一人の生徒~
運動場で、俺は夕日を見つめた。
何度も何度も夕日を見たが、
どの夕日も同じではない。
毎日違う表情で
俺に語りかける。
いつからだろう。
夕日を眺めていると
直が隣にいるような気がするんだ。
ずっとずっと孤独だった俺の隣に
いつからか、直がいる。
夕日を眺めながら娘のことを思い出し、
後悔したり、
自分を責めたりしていた日々が懐かしい。
直が、俺の背中に触れたあの日から・・・
「先生、どうしたの?」って優しく微笑んでくれたあの日から・・・
俺は孤独じゃなくなったのかも知れない。