オレンジジュース~俺と一人の生徒~
俺は、夕日に別れを告げ、教官室へと戻る。
「先生にラブラブ光線送ってたの気付いたの?」
「直、見すぎだよ!!」
ソファに座った2人は、少し目を腫らしていたが、明るかった。
「今日は、直を借りるね。今から2人でお茶して帰るね。」
中田は、直の肩に手を回し、俺に見せ付けるように直の頬に顔をくっつけた。
「こらぁ!俺の矢沢にくっつきすぎ!!」
「だって、私と直の方が付き合い長いもん!先生には負けないよ!」
2人は笑いながら、部屋を出た。
いつまでもそのままでいろよ。
いろんな困難があるけど、
いつまでもそうやって笑っていて欲しい。
進路や、卒業や、いろんな悩みもこれからたくさん出てくるけど
それだけ分かり合える親友がいれば、大丈夫。
支えあって、励ましあい、ゆっくり大人になれよ・・・
「気を付けてな!!」
絡み合うように歩く2人に手を振った。